腰痛対策

腰痛は寝方に注意!寝るときの良い姿勢と悪い姿勢の違い

寝るときの姿勢

腰が痛いときの寝方ってどっちを下にして寝るのがよいのでしょうか?

痛い方である腰を上向きにするうつ伏せの寝方なのか?それとも、腰を下向きにする仰向けの寝方がよいのか、どちらにしても自分が楽だ、と感じる寝る姿勢(寝方)をしがちですよね?

それで正解なのか?・・・腰痛や骨・筋力に関して解説します。

ズバリ!腰痛におすすめの寝方!寝る姿勢の理想形

腰痛の人に確実におススメ出来る寝方はズバリ「正しい立ち姿と同じく、背骨が緩やかなS字カーブを描いている姿勢」です!

あえて「仰向け寝」とか「横向き寝」と言わないのは、同じ仰向け寝や横向き寝でも寝具が合わなくて腰痛の原因になることがあるし、体型や腰痛の原因によってもおすすめの寝方は変わってくるからです。

また、寝るときの姿勢(寝方)が悪く、さらに寝返りが減ってしまうと腰への負担(血行不良・筋肉の緊張)が一気に増えて腰痛が悪化してしまうということになり兼ねません。寝るときの姿勢と寝返りのしやすさを考えて寝具を選ぶのも腰痛対策になります。

ただし誰にでも出来るちょっとした工夫をすることで、理想の寝方に近い状態で寝る姿勢を維持することも出来ます。

腰痛にはタオルやクッションで寝方を整えるのがおすすめ

布団やベッド・マットレスといった寝具は基本真っ平らですが、人の体は背中側でもお腹側でも横向きでも、真っ平らな人っていませんよね?

そり腰ぎみの人は寝具の間のすき間にタオル

日本人で標準的な体型の人は腰よりもお尻が出ている事が多いですし、骨盤部分はウエストより出っ張っているものなので、仰向けや横向き寝た場合は腰と寝具の間にすき間が出来ます。

横向きで寝ると上側の足が重力で引っ張られて腰に負担がかかったり、骨盤が歪んだりする原因になることもあります。寝るときに膝を立てると腰が丸まり反りが緩やかになるのですが、そこで活用したいのがタオルです!

仰向け寝は通常負担が少ない寝方と言われる事が多いですが、「反り腰」といって骨盤が前傾してお尻を突き出したような姿勢になってしまっている人の場合、ウエストとお尻の凹凸差が大きくなるので腰部分のすき間が大きくなり腰痛になりやすくなります。

そういった人は、タオルを細長く折って腰と寝具のすき間が埋まるように置く事で、腰が支えのない状態で浮いてしまうのを防いで負担の少ない寝方へと整える事が出来ます。

ポイントは腰の真下だけでなく横長にタオルを置いておくことです。そうすると寝返りしたあと横向き寝になってもタオルが腰のすき間を埋めてくれますよ。

横向き寝によいクッション活用

横向き寝で寝る場合には、折りたたんで厚みを持たせたタオルや薄めのクッションを足の間に挟むと、上の足が下へ引っ張られすぎず腰と足が水平に近くなるので、腰にかかる負担を軽減することが出来ます。

腰が浮いてしまって痛みが出ているという人は、細長く丸めたタオルや高すぎない横長クッションをひざ下に入れて寝ると、腰が自然に伸びて敷布団につくようになるので痛みが軽減されることがあります。

ただしフカフカで体が沈みやすい敷布団や薄くて硬すぎるようなマットレスを使っていると、タオルを置いてもその部分が沈んでしまってうまく効果が得られない場合がありますので注意が必要です。

腰痛にはうつ伏せで寝るのは良い姿勢か?

うつ伏せ寝が安心出来る…という人もいると思いますが、枕を頂点にしたうつ伏せはどうしても腰が反った状態になってしまうので、普段反り腰ではない人も長時間反り腰を強いられる寝方になります。

特に腰痛の中でも『腰部脊柱管狭窄症〈ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう〉』という病気の人は、背骨にある脊髄のトンネル(脊柱管)が骨や靭帯の変性や椎間板が出っ張るなどして狭くなり、脊髄が圧迫されて腰の痛みや脚の痺れが出ている状態ですので、うつ伏せで寝ると余計に脊髄が圧迫されて症状が悪化してしまうこともあります。

うつ伏せ寝は顔から足の甲まで寝具につけられるので安心感のある寝方ですが、腰痛がある時の寝姿勢としてはよくないので、避けた方が良いでしょう。

仰向け寝や横向き寝が腰痛に良い姿勢なのはなぜ?

どちらにしても寝るときの姿勢で腰痛が楽だと感じるなら仰向け寝でも横向き寝でも大丈夫です。

ただし、腰の周囲には内臓が多いので、仰向けで寝ると体重が腰周囲の筋肉や骨などにかかってしまいます。

仰向けで寝ている時は、体重の40%~50%弱の重さが腰への負担になるので、腰周囲の血管が圧迫されて、その痛みを伝える神経伝達物資が生じるので寝ているときに腰の痛みを悪化させてしまうことがあります。

通常なら寝返りをうてば体重の負担は分散されるので、寝ていても腰の痛みはそこまで大きくならないのですが、筋肉不足などで寝返りが十分にうてないと体重の負担が腰ばかりに集中し、寝ている間にの腰の痛みの悪化につながってしまうのです。

一方、横向きの姿勢で寝るとマットレスに接している面積が仰向けで寝たときよりも少ないので、その分かかってくる負担も大きくなります。

仰向けの姿勢と同じで、適度な回数で寝返りをうてれば問題も少なく腰痛の悪化にはつながらないのですが、筋力やマットレスなど寝具の問題で適切な回数の寝返りがうてないと寝起きに腰が痛くなったりします。

また、腰痛をあるときは痛い方を下ではなく上にして横向きに寝るほうが適切です。痛い方を下にしてしまうと痛みを感じるだけでなく腰に負担がかかるので、寝ている間にさらに痛みを悪化させてしまいます。

急に腰が痛い!ぎっくり腰かもしれないときの寝方は?どんな寝姿勢をとるか?

ぎっくり腰は「急性腰痛症」と呼ばれる病気で、なんとなく重いものを持ち上げるとなりやすいようなイメージがある人もいると思いますが、実際は「ただ立ち上がっただけ」とか普段やっている何でもないことで、前触れもなく突然発症することもあります。

原因などは詳しく分かっていませんが、運動不足の人やデスクワークが続いている人は腰周りが硬くなってしまうのでなりやすいとも言われていますね。

ぎっくり腰になると、最初は動くことはもちろん寝返りを打つのさえ難しい状態になってしまいますので、痛みが強い時の寝方はとにかく『自分にとって痛くない楽な姿勢』が一番です。

横向きで足を曲げて寝ているのが楽という人が多いですが、人によっては仰向けが楽という人もいますので、その時の自分に合った寝方を探してください。

健康な時には無意識に20回以上寝返りをうって、体の一部分に圧がかかったり血液が溜まってしまったりするのを防ぎ、体の歪みも解消していますが、ぎっくり腰になると寝返りが打てなくなる事が多いので、体圧を分散させてくれるマットレスなどを使用するのがベストです。

産前産後・妊婦さんの寝方や寝る姿勢ってどうしたらよい?

妊娠中にお腹が大きくなってくると、日に日に重く大きくなるお腹を支えるために、腰に普段とは違う力がかかってしまうので、妊婦さんに腰痛はつきものです。

何よりお腹の赤ちゃんが大きくなってくると、赤ちゃんの重さで内臓や血管を圧迫してしまうので、寝方は横向きが良いと言われています。

妊婦さんはシムス位の寝姿勢で

良くおススメされているのは「シムス位」と呼ばれる姿勢で、大雑把に言うと「体の左側を下にしたうつ伏せ気味の横向き寝」なのですが、この寝方も万人に合うという訳ではないので、苦しさや寝づらさを感じた場合は楽に寝られる姿勢にアレンジしたり、医師や助産師さんに相談してみてください。

抱き枕を使うと寝やすい姿勢がとりやすいという妊婦さんも多いので、自分に合った抱き枕を用意したり、妊娠中は寝返りがしにくくなるので事前に体圧を分散してくれる寝具を選んでおくと質の良い眠りがとりやすくなります。

産後仰向け寝でタオル活用を

産後になると、赤ちゃんの授乳やオムツ替えなどで頻繁に起きなければならないし、産後のダメージであちこち痛みが出るしでなかなか自分の寝方まで気が回らないかもしれませんが、産後の寝姿勢も実は重要です。

産後は出産の時に広がった骨盤が徐々に元に戻り、産後のダメージを回復しなければならない時期なので、体のどこかに負担がかかるような不自然な寝方では睡眠の質が落ちて回復量が落ち、骨盤に力がかかる寝姿勢だと元に戻る時に骨盤が歪んでしまう可能性もあります。

産前のおススメは横向き寝でしたが、産後に横向きで寝ると下側になった骨盤に圧力がかかったり、上側の足が骨盤を引っ張ってしまうので、授乳などで横向き寝をする時にはタオルやクッションでしっかり補正しましょう。

オススメの寝方はタオルで腰下か膝下を補正した仰向け寝です。

うつ伏せ寝が良いと言われることもありますが、帝王切開した時には傷にさわりますし、授乳で張った胸も押しつけられて苦しい人もいると思いますので、ちょっと皆んなに良い寝方とは言えないかもしれませんね。

腰痛によくない寝方とは?

腰痛に良くない寝方は、とにかく「骨が不自然に歪む姿勢体の一部に負担がかかる姿勢」です。これは腰痛だけじゃなく肩こりなどにも言えることです。

『腰痛は85%が原因不明』と言われていますが、これはレントゲンやMRIには原因が映らないので原因が特定出来ないという意味で、実際は負荷がかかった部分が炎症を起こしていたり、不自然な姿勢で硬くなった筋肉が原因になっていたりと様々な要因があります。

原因が判明する腰痛で多いのは、腰部脊柱管狭窄症の他には「腰椎椎間板ヘルニア」がありますが、これは骨と骨の間でクッションの役割をしている椎間板の外側を保護する『線維輪』という組織が、重いものを持ち上げて腰に強い負荷がかかった時や加齢などで損傷し、内部の髄核が椎間板の外に飛び出てしまう病気です。

飛び出した髄核が神経を圧迫して腰痛などの症状が出ているので、普通に横向き寝をすると腰椎を十分に支えられず、神経をさらに圧迫してしまう可能性があると言われています。

要するに、体がうまく支えられず正しい立ち姿とは違う姿勢で寝ている場合には、周りの筋肉や神経に負担がかかって痛みの原因になるし、ずっと同じ姿勢のまま寝返りもうたずにいると、筋肉が固まったり血行が悪くなったりしてこれも痛みの原因になるのでよくない…ということです。

腰痛持ちが注意したい寝方のまとめ

以下の3つのポイントが腰痛もちの人が寝る姿勢で注意しておきたいことなので、なかなか腰痛が改善しないという人は普段使っている寝具も一度見直してみるのも良いでしょう。タオルやクッションを使うだけで改善することもあるので、簡単な工夫もしてみましょう。

腰痛持ちの人が寝方で注意したいこと
  1. 腰が沈んでいる・浮いている・反っている状態で寝ない
  2. 体の一部分に圧力や体重がかかる姿勢は避ける
  3. 適度に寝返りを打つ

古くてへたっている寝具ややわらかい寝具を使っている場合は、注意していても寝具が原因で知らない間に腰痛の原因を作っていることがあります。

柔らかい寝具は圧がかかりやすい部分が沈むので腰が沈みやすくなって寝る姿勢が崩れます。

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また、へたって軟らかい寝具でも適度な硬さや反発力が無くなってしまっているので、特に筋力が弱い女性や子供・痛みがあって体を動かしにくい人などは寝返りが打ちにくくなって悪い姿勢になってしまいます。

ペラペラで底つき感のあるような寝具だと床に寝ているのと変わらなくなっているので、体重が床との接地面にかかって腰以外にもあちこち痛くなっちゃいますね。

寝方が悪いかも?と思い当たる人は、自分の寝具を見直して新しくするだけで腰痛が改善するケースもあるので検討してみるといいでしょう。

マットレスや敷布団の寿命は5年程と言われているので、腰痛が軽減されて質の良い眠りが取れることを考えれば、ある程度の相場で寝具を選ぶのも重要ですね。

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KIM接骨院 金院長 記事の監修KIM接骨院 金 元準 院長