寝具の基礎知識

寝返りの回数は良質な睡眠との因果関係なし?よく眠る5つの条件をチェック!

寝返りの回数

「しっかり寝たはずなのに寝た気がしない・・・」

「朝起きると体が重たい」

もしあなたがこんな悩みを抱えているのであれば、それはもしかして寝返りのせいかもしれません。

寝返りと聞くと「夜、布団の中でゴソゴソ動くこと」程度の認識しかない方が多いのですが、実は寝返りと睡眠には深い関係があると考えられているのです。

では、私たちはなぜ寝返りをうつのでしょうか?そして一晩にうつ寝返りの回数は?

今回は寝ている間に無意識に行っている寝返りについてちょっと考えてみたいと思います。

寝返りをする効果・目的とは?

そもそも人はなぜ寝返りをうつのでしょうか?それにはこんな大切な理由があったのです。

    寝返りの効果とは

  1. 血行不良を防ぐ
  2. 骨や筋肉への負担を分散させる
  3. 体温調節

以上の3つの効果について詳しく解説します。

血液やリンパ液のスムーズな循環

血液やリンパ液を含む体液とよばれる人間の体の中にある水分は、ポンプの働きをする心臓から勢いよく押し出されたり、各組織の浸透圧や各臓器の働きにより体中を循環していますが、常に重力の影響も受けています。

例えば仰向けで寝ている場合、ずっと背中に向かって移動する力、つまり重力が働いているのです。

寝ている間ずっと同じ姿勢でいると、少なからず循環が悪くなります。

もちろん体は重力に負けないように一生懸命頑張りますが、それが負荷となり継続的に体に小さな負担をかけるのです。

成人の睡眠時間はおよそ6時間から8時間程度、つまり1日の4分の1から3分の1を占めていますが、その間ずっと同じ姿勢で寝ていると、自覚しないうちにジワジワとストレスがかかってしまうのです。

この影響を避けるために寝返りをうつと考えられています。

骨や筋肉にかかる負担を和らげる

私たちが起きている間、ずっと同じ姿勢でいると疲れを感じることがありますよね。

立ちっぱなしであれば足が疲れますし、座っていてもお尻や腰、デスクワークをしていれば肩が痛くなります。

それと同じことが寝ている私たちの体にも起こっています。寝ている間は起きている時と比べて痛みや疲れを感じにくくなりますが、体に負担がかかっているのは起きている時と全く同じです。

例えば仰向けに寝ている場合、後頭部に10%、肩に30%、腰部に45%、ふくらはぎに15%の割合で荷重がかかっていると言われており、それぞれ負荷のかかったパーツには疲労が蓄積します。

寝返りしないでいる負担

寝返りにはこの負荷を軽減させる役割があります。

一定のタイミングでうまく体を動かすことにより、それぞれのパーツにかかる負荷を分担させ疲労を軽減させていたのです。

私たちは疲れを取るために横になっているつもりでしたが、実は思った以上に体に負荷がかかっていたんですね。定期的に寝返りをうつことは腰痛や体のコリの予防に役立っていたのです。

寝ている時の環境と温度調整をする

寝返りは寝ている間の体温調節・環境調整の役割もあると考えられています。

寝ている時、人間はコップ1杯分から2杯分もの汗をかきます。汗というと額に浮かぶ大粒の汗を思い浮かべるかと思いますが、寝ている時の汗は不感蒸泄(ふかんじょうせつ)と呼ばれる目には見えないもので、体中の毛穴から、そして呼吸とともに粘膜から蒸発していく水分です。

汗として見える形で排泄されなくても、寝ている時の布団の中にはそれだけの水分が充満するということになります。

布団で寝ているとジメッとした湿気を感じたことがあるでしょう。

こういった場合に寝返りをすることで、布団の中の空気を適度に入れ替え、湿度を放出して快適な環境を維持する役割も果たしているのです。

寝返りには快適な睡眠環境を整える役割もあったのですね。このように寝返りの役割には寝ている間に体にかかる負担を抑え、睡眠環境をよくする働きがあるのです。

睡眠時に寝返りが上手にうてないと、「寝た気がしない」「疲れがとれない」といった事象の原因になるのです。

寝返りの回数は?

寝返りの回数

さて、私たちは寝ている間にどのくらいの寝返りをうつのでしょうか?

寝返りはたくさんうてばいいのでしょうか?

睡眠中の寝返り回数の調査結果

寝返りに関して研究したデータが幾つかありますので、その中の2つほどを簡単に紹介したいと思います。

まずは2015年に東京で開催された「第50回日本理学療法学術大会」にて発表されたデータからです。大会中に「健常者における睡眠中の寝返り回数と日間変動の検討」というとても興味をそそられる演題発表がありました。

この研究は日中に仕事をしている8人の成人(男性4人、女性4人・平均年齢22.9歳)を対象にした研究で、それぞれが一晩にうつ寝返りの回数を、赤外線カメラを使って正確に測定したものです。

その結果、寝ている間に寝返りをうつ回数は、最も少ない人で6回、逆に最も多い人で38回、1時間当たりの回数は平均3.9回(最低1.1回、最高6.5回)だったと報告されています。(平均睡眠時間6.2時間)

さらに少し前の論文になりますが、2006年に奈良女子大で行われた男性17名(19から25歳)、女性18名(20から24歳)を対象にした研究です。この研究ではおよそ8時間の睡眠中、男性は平均59回(16回〜88回)女性は平均16回(3回〜24回)の寝返りをうっていたとの報告がなされています。

寝返りの数は個人差が大きい

この二つの研究の結果をまとめると、人は睡眠中に複数回の寝返りをうつこと、そしてその回数は個人差が非常に大きいことがわかります。

さらに奈良女子大学で行われた研究では寝返りの回数には性差があり、女性と比較して男性の寝返りの回数が平均で3倍以上多いこともわかります。

なお女性の寝返りの回数が少ない理由としては次のことがいえるようです。

  • 寝る時の姿勢
  • 体細動(たいさいどう)が多いこと

つまり、このデータからわかることは、寝返りの数はさしては重要ではないということではないでしょうか。

仰向け寝は寝返りしやすい?

今回の研究では男性は仰向け寝る人がほとんどだったのに対し、女性の場合は横向きで寝る人が多かったようです。

この姿勢が寝返りの回数に影響を及ぼしている可能性があります。確かに横向きで寝ると寝返りはうちにくそうなイメージですよね。

体細動

あまり聞きなれない体細動とは、寝返りほど動きは大きくない、体を微調整する動きのことです。

一晩の睡眠時間中の体細動の回数は、男性が平均85回だったのに対して女性158回だったと報告されています。

女性は大きく寝返りをうたない代わりに、小さな動きをたくさん繰り返して睡眠時に体にかかるストレスを軽減しているようです。

これらの研究結果を見ると、寝返りには個人差が大きく単純に「たくさんの寝返り=良質な睡眠」という単純なものでもないことがわかりますね。

回数が重要なのではない

寝返りの効果は次の2つがあります。

  • 寝ている間に体にかかる負担を減らす
  • 睡眠環境を整えて安眠できるようにする

つまり、寝返りがうちにくい環境で寝ていると、せっかく寝ても疲れがとれないという原因になってしまうのです。

寝返りの回数と睡眠の質についての関係としては、寝る時の姿勢や性差を含めて個人差が大きく、「寝返りが少ない=良い睡眠」といったような簡単な話ではないようです。

寝返りについては、その回数というよりは、寝返りが必要なときにすんなりとできる体勢であることのほうが重要です。

さらに、寝返りをたくさんしなくてもカラダの血液循環を邪魔しないで眠っていられる環境にしていくほうのが良い睡眠として成り立つのです。

良質の睡眠をつくる体勢・環境作り

熟睡できる環境作りとして、寝室を快適にするために大事なポイントは5つあります。

  • 寝るための空間作り
  • リラックスを促してくれる明るさ(電気・光)
  • テレビの音や音楽
  • 適した温度や湿度
  • 快適に眠れる寝具

それぞれを見ていきましょう。

①寝るための空間

マットレス カビ

リラックスできて居心地が良く、安心感のある寝室作りをしましょう。たとえば、寝室には空気清浄機をつけておくと空気中のチリやほこりをとってくれるので快適です。

また、寝具は常に清潔にしておくと気持ちよく寝れます。ダニ対策も万全にしておきましょう。

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②明るさ

快適な部屋

就寝前は、明るすぎない暗めの光でリラックスを促すようにしましょう。

特に寝る1時間前からは、パソコンや携帯などのブルーライトで必要以上に覚醒を促進しないようにしましょう。

③音

当たり前の話ですが、テレビやラジオをつけっぱなしにして寝てしまうと、睡眠中に覚醒が促されるので、やめましょう。

また、リラックスする目的で音楽を聴くことはよいですが、寝る少し前には音は止めてから就寝しましょう。

④温度や湿度

入眠時は、身体内部の温度が効率的に下がることでて眠気が促されるので、1-2時間前に入浴し湯舟でカラダを温めておくのが効果的です。

また、寝室の温度が低すぎると手足の血管は収縮して皮膚から放熱せずに、身体の体温は高くなってしまうのでエアコンなどの室温管理にも注意しましょう。

寝室の温度や湿度が高すぎても、体温調節がうまくいかなくなるので、低すぎても高すぎてもよくありません。

⑤寝具

カラダの沈み込み

寝具選びも自分の寝る体勢に合っているかどうかは結構大事です。

寝苦しい」と感じないことは最重要ですし、布団に入るだけで気持ちが良くなり、眠くなってしまうというのは理想的です。

自分に合った寝具選びは重要なので、寝つきがよくないと感じる人は今一度、敷布団から見直してみてもいいでしょう。

ためしてガッテン!「寝返りを増やして腰痛解消」

寝る姿勢

2016年11月2日に放送されたNHK「ためしてガッテン!」では、腰痛になりやすい人の原因や対策について紹介されていましたが、寝具が腰痛に大きな関係があるということも言っていました。

その中のコラムをピックアップして紹介します。

寝返りを増やすには寝る姿勢が重要

ためしてガッテン!では、腰痛の人の多くが「寝返りが少ない」と指摘されていました。

寝返りが少なすぎると、日中の体のゆがみを就寝中に解消できていない可能性が高いといっています。

体の中心である首の骨や骨盤回りが固まったままだと、筋肉が不自然に緊張して疲れが取れないのです。

熟睡できないだけでなく、同じ姿勢で長時間固まってしまうため一か所に負担がかかり、そのせいで腰痛が発生しやすくなるということです。

腰痛を緩和する寝返り改善方法

ためしてガッテンでは、気軽に試せる寝返り改善方法が紹介されていました。自宅で簡単に試せるので腰がつらい人は試してみましょう。

タオルやクッションを使う

寝返りが少ない人は枕が合っていない可能性があるので、固い煎餅座布団に畳んだバスタオルを乗せて枕を作ってみましょう!

横向きの時に顔の中心が床と平行になる高さがベストな高さです。

他にも横向きが落ち着かない人は両ひざの間にタオルやクッションを挟んだり、仰向けがツライ人は腰のカーブのところにタオルを敷いて腰が沈み込まないように調整してみましょう。

妊娠中の方は抱き枕を使用するのもおすすめです。

参考:NHK

寝る前にストレッチ

寝ている時に腰の筋肉が緊張したままなのも腰痛の原因となります。

腰をねじるストレッチや、ひざを抱えてお尻~腰の筋肉を伸ばすストレッチなどで腰回りの筋肉をほぐすことで、翌朝の腰の痛みに変化が出てきますよ。

全身の血流を良くするために、ひざ裏や太ももの筋肉をストレッチするのもいいでしょう。

片足を伸ばしてタオルをかけ、タオルの両端を持って脚を天井に向かって上げるなど、寝たままできるストレッチは血流がアップしてくるのですごくいいですよ。参考:NHKためしてガッテン

今使っている自分の寝具をチェックしてみよう!

腰痛にいいマットレス

「ずっと同じ布団で寝ている」「引っ越しの際にとりあえず安い布団を買った」など、寝具に気を配っていない人は要注意です。

合わない布団でずっと寝ているとカラダのどこかに支障が出てくるかもしれません。

今使っている寝具の状態をチェックして、将来、腰痛や肩こりなど不調につながらないように早めに注意しましょう。

腰が沈み込んでいないか?

腰が沈み込みすぎるマットレスは、特に仰向けに寝た時に腰の筋肉が伸びて腰痛の原因となりやすいです。そのマットレスで寝続けることで、背骨や腰骨も歪んだりなどリスクがアップしたりします。

寝心地が良いから、と柔らかいふかふかのマットレスを使っている人は、腰が沈み込んでいないかチェックしましょう。

特に耐久年数を超えて使っているマットレスは腰部分がへたって寝姿勢が悪くなる傾向にあります。

血行不良になっていないか?

逆に固すぎる布団で寝ている人は、寝ている時に腰回りや肩の血流が悪くなっている感覚がないかチェックしましょう。

体がほとんど沈まない寝具は体型の凹凸によって腰~お尻や、肩~肩甲骨にかけてに圧力がかかりやすく、血行不良からのコリに繋がりやすいです。

朝起きた時に、骨の痛みではなく「肩コリ・腰のコリ」を感じる人は、もう少し体を包み込む効果のある寝具をプラスしたほうが良いかもしれません。

まとめ

腰痛対策 マットレス

私は以前、腰痛が辛く、肩こりも出て、体が重くて、毎朝気持ちが落ち込んでいた時期がありました。質のよい睡眠をとるにはどうしたらいいのだろうか?と睡眠専門の病院に通っていたこともありました。

しかし、いろんなことをやっても大した効果がなく、結局良かったと実感できたのが敷布団を高機能マットレスに変えたことでした。

ほかの人も同じ原因とは限りませんが、もし、私のように何をやっても、なんとなく快適に眠れていない気がする、といった感じなら是非敷布団を変えてみるといいですよ。